世界一のイケメン柔術家を囲んで

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=「プロを育てない」という大賀道場の経営方針について=

藤原:次なんですけど、大賀さんて、正直プロ格闘技とか好きじゃないですよね? さっきのキャリアの話しでもでたように、専業的に格闘技を教えて食うという生き方自体も、さほど好意的に考えてない。
 経営方針としても、うちではプロの格闘家や指導者を育てないとう方針を、事前の協議でも散々強調しておっしゃってる。

大賀:うん。

藤原:それで、経営的に大丈夫だと思いますかね? つまり、うちの経営資源てなんなんでしょうねってことなんですけど。
 他の道場さんはもっと人材を育てて、プロの興行に出したり、クラス講師にしたりすることで自分を宣伝してく訳ですけど。うちは、ほんとうにそう言うことをしない。
 大賀さん的には、どう考えてますか? いまのままでもいけると?

大賀:んー、どうだろうね。まぁ、そういう苦しいことは俺だけがやればいいと思ってるし。

藤原:皆さんはどうでしょうね? 今はこの道場、それなりに人が集まってますけど、大賀さんは今年の夏でとりあえず長期お休み宣言。このまま引退と言う可能性も高い訳ですけど。この後も、経営的に大丈夫だと思いますかね? 正直なところ。

大賀:どうなんだろうね〜。

上村:そこは、大賀さんが選手として活動しなければ集客力は落ちるでしょうけど、教える技術はあがってくでしょうから……そこまで組織的な拡大を図らなければ多分問題はそれほどないんじゃないかと……。あの、ちょっと詳しい話しになるけど良いですか?

藤原:ええ、どうぞどうぞ。

上村:ここの雰囲気とも関連するでしょうけど、今日ちょっと練習に参加させてもらって、スパーリングの雰囲気とかはそんなにうちとも違わないと思いました。
 ただ、江古田(パラエストラ東京)とかだと、確かにムンジアル目指す人もいますけど、その横で女の子たちもやってるし、柔術ってのはやっぱり初心者とトップ選手が一緒にやりやすい格闘技じゃないですか。他の格闘技なんかと比べると圧倒的に。
 だから、江古田に誰が来てもそんなに居心地が悪いって訳じゃない。まぁそれでも流石に、まったく運動経験の無い人が、隣でムンジアル目指してる連中の凄いスパーリング見ちゃうと、引いちゃうかもしれないですけどね。
 それに比べると、大賀道場は(パラエストラ東京より)さらにガツガツやってる感じも無い訳ですから、そんなに無理にプロやインストラクターなんか育てる必要も無いのかもしれないと思います。
 ただ、(今の柔術やってる若い人の)中には高校でてアルバイトしながら、将来は黒帯になってムンジアル出て世界チャンピオンになるんだなんて夢を持ってる若者だっていると思うんですよ。
 私は黒帯と言ってもちょっと違うけど、大賀さんやっぱりプロ柔術家な訳で、そういう連中に対してちょっと大賀さんは否定的すぎるような気がするんです。
 まぁ確かに、私なんかも江古田に行くと、そういうプロ志望の連中が結構いるんで、お前そんな世の中甘く無いよ、ちゃんと働いた方が良いよって、そりゃ良識ある人間としては言いたくなりますよ。でも、選手として頑張って、将来は道場を持ちたいという連中の気持ちも分かるんです。
 まぁ元々、大賀道場にはそういう人はあんまり来ないのかも知れませんけど……。

藤原:まぁ、そういうことなんでしょうかね……。

上村:でも、柔道をかじった若者——高校出たばかりとか、大学生とかが力試しにこの道場に来るとするじゃないですか。で、そいつの鼻っぱしらを大賀さんが乱取りでへし折る訳ですよ。で、ハッとなって我に返ったそいつにですね、大賀さんがこう「お前ムンジアルに出てみろよ」って声をかけるような……そういう熱い光景がこの道場の片隅であってもいいんじゃないか?

一同:笑

上村:って言うのはですね、もったいないと思う訳ですよ、僕は。
 大賀さんが、怪我しないように皆で楽しくやって下さって言うのは、本当に素晴らしいとは思いますよ。それに共鳴する人がここに集まってる訳で、美しいしそこに意義があると思います。
 でもね、大賀さんも自分でもずるいって認めてらっしゃいますけど(ねわワじゃ危ない技をやりたく無いから)、他所の道場に出稽古に行って、ブチンと(道着を掴んで離さない手を力任せに)切ったり、グリグリと(相手の顔を圧迫したりして)とやって、そこでは乱取り相手に危険な技も一杯使って強くなって、それで世界を穫っちゃった訳でしょう?
 でも、自分の道場に帰ったら「はい、皆さんは怪我しないように、安全にやりましょうね」って(笑)。
 それはもちろん、大概の道場会員さんにとっては素晴らしいこととは思いますよ。
 でもね、やっぱりガッついてくるひと、どうしても強くなりたい!って人も、もっと受け入れてあげて欲しい。まぁ入会を断ってるわけじゃないでしょうけど(笑)。
 それで、大賀さんの技、強くなる為のノウハウを伝授してあげて欲しいんですよね、そう言う人たちに。
 外から見てると、そこがどうしても歯がゆいんです。

大賀:うーん、凄いなぁ。

上村:突き詰めて結論を言うとですね、いや、またいきなり結論に行っちゃってご迷惑かけますけど、もうね大賀さん、やっぱりもう逃げられないっすよ!

大賀:いや、もう逃げますよ(笑)。ふふふ。

上村:そういう冷めた言いかたしてね、今やってる仕事が、本当にやりたい仕事だと思わないとか言っちゃったりとかね、危険な技(は自分の道場では使わせない)とかもそうですよ。
 でもね大賀さんは、ねわざワールドをもう広げてしまった訳です。
 自分自身も、ムンジアルやマスターシニアでも勝っちゃったわけです、実際に。
 勝っちゃった!って感じですよ本当……。ブラジル命って人たちから見ればね、なんで大賀なんかがって(笑)。
 そうなったらもうね、責任を取って下さい。業界が地盤沈下したらなるようにしかならないとか言ってますけど、地盤沈下させないように、大賀さんが頑張って下さいよ(笑)。
 ダメですよ、逃げ場なんかつくっちゃ!

藤原:そうですよね(笑)。

上村:大賀さんが、そういう振興活動をやってない訳じゃないから、批判は出来ないけれど……白カニとかもやって来た訳ですよ。メシ食う為だったかもしれないけれど、それで間違いなく広がってる。地方にいって寝業指導もやって広げて来た訳で……。これ以上に何をやれって言う訳じゃないけれど、こう、マインドをね(もうちょっと前向きになってほしい)……。だからもう、そういう逃げ場を作ったりしちゃダメですよ。

藤原:大賀さんが柔術広げた張本人の一人なんですからね。

上村:そうそうそう、今更無責任にね、俺やめた、やっぱ本屋やるわって言い出したらみんな怒るでしょう(笑)。

大賀:怒るかなぁ。

上村:経営的に言ってもですね、後継者とまでは言わなくてもね、大賀柔道、大賀柔術……

藤原:継承させていくべきだと。

上村:そうそう。そう言う人を育てて、地方に道場を開かせるとか。パラエストラのように。まぁ、実際にはパラエストラの支部などが今後どうなるのかは分かりませんよ——でもそういう、熱い部分があってもいいと期待しちゃうんですよね。いきなり結論ですけど(笑)。

藤原:どうですか、大賀さん?

大賀:どうしようね……

藤原:まぁ、いきなり大賀さんの方に結論を求めるのもなんなので(笑)

上村:皆さんも言ってあげて下さいよ。僕、部外者なんだから(笑)

大賀:土肥さん、何か一言ありますか?

上村:土肥さんは、選手志向でしょう?

土肥:そうですね。

藤原:土肥さんは将来、柔術指導みたいな形で、将来食べていきたいですか?

土肥:そこまでは、うーん……。

藤原:でも、もったいないですよ。あんなに才能あるのに。

上村:パラエストラだってね、代表が用事でいないときなんかもね、今日は私が代理ですって紫帯が頑張って教えてますよ。そうやって教えてく事が、本人にとっても良い経験になっていくと思います。

(C) 大賀道場&ねわざワールド 2007